ご住職がお寺で生活をしていると、様々なリスクを連想しますが、近年の異常気象の増加に伴い、夏に向かうにつれて気になるのが台風シーズン。
大型台風で本堂や庫裡や仏具の損害が発生した場合、お寺の貯蓄で対応可能でなリスクであるのか、それとも備えておかなければならない深刻なリスクなのか、お寺の財産や会計を全体的みながら考えていきましょう。
経済的にお寺に及ぼすダメージが高いと考えらる場合は、火災保険の補償の
1つ「風災補償」で補償を受けることでリスクをカバーできます。
被害を把握するのに時間がかかるケースもあります。
「風災補償」では、どんな場合が補償の対象か事例で見てみましょう。
具体例その1 | 強風で本堂の屋根瓦が吹き飛んで破損した。 |
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その2 | 台風で庫裡の雨樋が壊れた。 |
その3 | 台風で本堂の扉が壊れたことにより、雨風が入り込んだ結果仏具が破損した。 |
お寺の風災補償の被害でご請求が多い損害は、「屋根瓦」の破損です。
ここで厄介な問題は、火災保険に風災の補償を付けていても、ご住職や檀家さんが屋根瓦の破損に気付くまでにタイムラグがあることです。
本堂や庫裡、境内の建物の屋根瓦の破損を全体的に確認するためには、業者に依頼して屋根に登るかドローンなどを利用する方法が考えられますが、それら方法以外で確認するのは難しい状況です。
ご住職や檀家さんが視界で判断できる損害があれば、損害個所を修復する際に業者に依頼をして確認することは可能ですね。
また、台風などの強風で本堂や庫裏が破損されたことが目視できる場合であっても、損害に気付かれていないことや、風の被害は火災保険では直せないと思い込まれているケースもあります。
このような被害に気付くことができるのも、保険代理店の業務の一環です。
ご存知ですか?保険請求の時効
余談になりますが、保険の請求権は3年で時効になります。
これは、保険法の第九十五条において定められています。
保険法 第95条(消滅時効) |
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条文) 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、三年間行わないときは、時効によって消滅する。 2 保険料を請求する権利は、一年間行わないときは、時効によって消滅する。 |
解説※) 保険金等を請求する権利を行使しない状態が一定期間継続すると、その権利は消滅します。 保険金受取人が保険金を請求する権利または保険契約者が保険料の返還を請求する権利もしくは保険料積立金の払戻しを請求する権利は、時効により3年で消滅します。 保険会社が保険料を請求する権利は、時効により1年で消滅します。 |
※(公財)生命保険文化センター「保険法の概要」より抜粋
http://www.jili.or.jp/knows_learns/law/details.html#detail_12
実際のところは、各保険会社で請求期限が決められていることが多いので、加入されている約款や代理店の担当者に確認してみてください。